成分に影響!? 製塩の流れを「濃縮・結晶・仕上げ」の3ステップで簡単解説

③仕上げ 出荷に向けて結晶を整える
焼いたり成型したり、塩の品質を整える作業を行ってから出荷。場合によっては、収穫・採取した塩をそのまま出荷することもあります。
・焼成
焼き塩を作るために高熱で焼く作業。焼成することによって塩の結晶が破裂して細かくなり、マグネシウム化合物でコーティングされるためサラサラに仕上がります。温度は300~600度。380度を境に「高温焼成」「低温焼成」に分かれます。
・粉砕
塩の結晶を砕きます。大きな塊で採取する岩塩や湖塩だけでなく、海塩を粉砕する場合もあります。砕き方によってさまざまなサイズに仕上がります。
・造粒
パウダー状の塩を使いやすいように顆粒状にしたりタブレット状にしたり成形します。プレス機械などを使用するほか、でんぷんなどを用いて固めた商品もあります。
・洗浄
真水または飽和塩水で塩を洗うことで、塩表面に付着した不純物を取り除きます。真水で洗うとナトリウム以外のミネラルが先に落ちるため、ナトリウム純度が高くなります。
・混合
塩にほかのものを混ぜる作業。固結防止や栄養強化のほか、ナトリウム構成比の低い塩を作る際に、マグネシウムやカリウム、カルシウムなどが添加されます。そのほか各種食品、香料、うま味調味料、粒度の違う塩などを混合することで、個性豊かな塩を作ることができます。
工程を組み合わせて製塩
このように、製塩にはいろいろな工程があります。これらを組み合わせて塩を作り上げるだけでなく、製塩所の作り方やこだわりが反映されます。塩の世界は奥が深く、詳細を知りたい場合は製塩所に問い合わせる必要がありそうです。
今回、製塩の流れを3ステップで説明しましたが例外もあります。海塩の場合は、基本「①濃縮→②結晶→③仕上げ」(③はない場合もある)の流れで製塩されますが、岩塩や湖塩の場合は①濃縮のステップを踏まずに「②結晶→③仕上げ」だけで出荷されるなど、製塩にはさまざまなケースがあるのです。製造方法の基本情報はパッケージの食品表示に記載されているので、塩を購入する際にチェックしてみてくださいね。
塩の生産や販売が制限されている時代があった
現在、個性豊かな塩がたくさん販売されていますが、そんな自由が許されない時代がありました。塩の生産や販売が日本政府によって制限されていたのです。日本では江戸時代以降、地域的に藩専売が行われた時期がありますが、全国的に塩専売制度が実施されたのは1905年~1997年です。
塩専売制度の施行以降、塩田での製塩は段階的に整理・統合が進みました。そして、1972年にイオン交換膜法への全面切り替えが行われ、塩田は日本から姿を消してしまったのです。塩は塩田を利用した伝統的な方法でつくることができなくなりました
1997年、塩専売制度が廃止。国産塩の選択肢が広がる
塩専売制度が廃止されたのは1997年。これにより、国産塩の製造は自由化され、国産塩の選択肢が増えました。塩田廃止から1997年の間は、国民が入手できる国産塩のほとんどが精製塩だったと考えられます。精製塩しか選択肢がない時代に比べて、現在は消費者が選べる時代になりました。
塩専売制が廃止されても、塩田が元通りの姿を取り戻すのは難しい。今でも海水から生産する塩の多くがイオン交換膜を利用してつくられています。ですが、消費者が塩の製法を意識して商品を選ぶことで、塩農家を応援することはできます。昔に比べて塩の自由度が高い現在だからこそ、塩をじっくり選んでみませんか? 健やかに暮らすためにはどんな塩を選択すべきなのか、自分軸を大切にしてくださいね。