精製塩ゼロは難易度高すぎ!? あらゆる食品に精製塩が使われている実態
「精製塩よりも自然塩がいい」と考える人が少しずつ増えてきました。わたしの周りにも塩にこだわる人が多く、良質な塩を購入している人がいます。でも、それだけでは安心できない現実に気づいていらっしゃいますか? 実は、日本の加工食品の多くに精製塩が使われているんです。メーカーさんに教えてもらった内容をヒントに、食品に含まれる精製塩について考えます。
乳製品&味噌・醤油メーカーさんに聞いてみた
「わが家は自然塩を選んでいるから大丈夫」と思っていたのですが、 自分が気づかないうちに精製塩を口にしている可能性を知りました。そのとき、わたしは精製塩からは逃げられないなと絶望しました……。
塩にこだわりがある、健康には気をつかっている。そんな人のなかには、できるだけ加工食品に頼らず料理を手作りしている人もいるでしょう。でも、すべてを手作りするのは大変なことです。とくに、チーズやバターなどの乳製品、醤油などの調味料まで作るのは時間がかかります。そこで今回は、乳製品と味噌・醤油に使用される塩の実態に迫ることにしました。
海外から原材料を取り寄せている場合は把握困難
バターやチーズなどの乳製品の多くに精製塩が使用されているようです。メーカーによっては、「○○産の精製塩を使用」と原材料を把握しているパターンと、原材料を世界中から輸入しているため、含まれる塩すべてを把握するのが難しいパターンがあります。品質安定のため産地が変更されることがあり、原産地を明記できない場合も。いずれにせよ、わたしが調べたところ、市販の乳製品に使われる塩のほとんどが精製塩でした。
味噌や醤油は天日・平釜の塩を使用している商品も
味噌や醤油にも精製塩が使われている商品がたくさんありました。「有機」の味噌や醤油でも精製塩を使用している商品があったので、有機やオーガニックなら塩も安心だろうと判断するのは難しそう。しかし、乳製品に比べると原材料を国産にこだわっている商品が豊富で、原材料を把握しているメーカーさんが多かったです。原産国や原産地だけでなく製法に関する情報も知ることができました。
天日や平釜で作られた塩を使用している商品もあり、「精製塩を使っていない味噌や醤油」を探していることを伝えると、親切に教えてくださいました。精製塩(塩化ナトリウム純度99.5%以上)ではなく、「並塩(塩化ナトリウム純度95%以上)」を使用している商品もあり、商品を比較するのはとても興味深かったです。
精製塩は体に悪影響を与える?
比較的原材料がシンプルな乳製品や調味料でも精製塩が使われているということは、ほかの加工食品にも精製塩が使用されていると想像ができます。たしかに、精製塩は安価で品質が一定なので、加工する際に使いやすいのです。天日塩のように天候に左右されることもありません。
「精製塩が体に与える悪影響」については、「影響はない」と否定するメーカーさんがほとんど。科学的根拠に基づいたデータがない、精製塩は製造工程で不純物が取り除かれているので健康被害はないという意見のようでした。これを聞いて、あなたはどう受け取りますか? ぜひ考えてみてくださいね。
加工食品を減らし、自家製を増やそう
精製塩をできるだけ摂りたくないのなら、やはり手作りの割合を増やすのがよさそうです。味噌は比較的家庭で作りやすい調味料。少量からでも挑戦する価値はあると思いますよ。自家製なら材料の原産地や質までこだわった食品が食べられます。
精製塩は意識しなくても加工食品を食べると体に入ってきます。だからこそ、家庭では自然塩を摂るほうが体のためになりそうです。加工食品や外食が多いときは、にがりでミネラルを補給すれば、ナトリウムの単独過剰摂取を緩められるかもしれません。加工食品や外食には精製塩が使われている可能性を踏まえて、食事時間を楽しんでくださいね。そして、食品に疑問をもったらメーカーさんに質問するといいですよ。メーカーさんの考え方やスタンスを知るいい機会となります。