にがりって何? マグネシウム、カリウム、カルシウム…栄養素から紐解いてみよう
ダイエットが話題で一時にがりブームとなったが…
一時期「にがりブーム」がありました。にがりを摂ると「便秘が治る」「ダイエットに効果がある」ということで、とくに女性に大人気となったんです。ところが2004年、独立行政法人国立健康・栄養研究所がにがりの痩身効果について「確実な根拠がない」「過剰摂取に注意する必要がある」と発表したことで、ブームは下火になりました。
にがりの主成分であるマグネシウムを使った便秘薬や胃腸薬(制酸薬)には、長い歴史があり妊娠中でも使える安全な薬として使用されています。ですが、過剰に摂取すると下痢を引き起こしたり血圧に影響を与えたりするなど体調不良をもたらします。ダイエットブームの頃も、にがりを飲み過ぎて命の危険にさらされた人がいたそうです。
視点を変えれば、にがりにはそれだけ効果があるということ。ある程度の効果を実感した人がいたからこそ、にがりブームが起こったはずです。ただし何事も「やりすぎ・使いすぎ」は禁物。にがりが体に悪いわけではないので、適切に使うようにしましょう。また、残念なことに質の低いにがりも販売されています。商品を見極める目を養うのも大切なのです。
料理にもスキンケアにも健康増進にも役立つ
にがりは、そのまま飲むと苦いですが、料理に混ぜれば苦さは気になりません。たとえば、飲み水に1滴、ご飯を炊くときに数滴入れるなどの少量なら苦さを感じない人がほとんどです。むしろ、ご飯がふっくら炊きあがり美味しく食べられます。精製塩を摂っている人がにがりでミネラルを補えば、ナトリウムの単独過剰摂取の緩和に繋がります。
わたしは精製水ににがりを混ぜて化粧水を作ったり、頭痛のときは原液を1滴だけ飲んだりして料理以外にも活用しています。植物の栄養補給に水やりの水ににがりを混ぜる人もいるそうです。
日本の水道水はミネラルが少ない軟水です。さらに、マグネシウムは甘いものの食べ過ぎ、発汗、ストレスで消耗されるなど、ミネラルは体外に排出されやすい。ミネラルは体内で生成できないのに、失われやすいので不足している人が多いのです。いろんなミネラルが含まれるにがりは、ミネラル不足を解消するとっておきアイテム。ぜひ活用してみてくださいね。