岩塩と海塩の6つの違いに注目。わたしが海塩を選ぶワケとは?

「塩」と聞くと、どんな塩をイメージしますか? 当サイト「海わたし」では海塩をテーマにすることが多いですが、なかには岩塩を連想する人もいらっしゃるでしょう。今回は、岩塩と海塩の違いとともに、わたしが海塩を選ぶワケをお伝えします。
① 海塩と岩塩は“ナトリウム構成比”が異なる
岩塩は、陸に閉じ込められた内海が地殻変動により干上がって、地中に埋もれたものと考えられています。海水が岩塩になるまでには、かなりの年月を要します。その過程で、海水に含まれていた微量ミネラルのほとんどが失われるそうです。
ミネラル構成比という点で、海塩と岩塩は大きく異なります。岩塩は微量ミネラルを失うことでナトリウム構成比が高くなるのです。そのまま食べられる高品質な岩塩ほど、塩化ナトリウム純度が高い傾向が……。岩塩も元は海水なのですが、岩塩は海のミネラル組成とは異なるものが多いと考えられています。
②海塩とは違い、岩塩はナトリウム以外のミネラルが少ない傾向
①の項目で説明した通り、岩塩は微量ミネラルが失われています。天然塩には自然海塩と岩塩がありますが、岩塩には微量ミネラルの効果が期待できません。そのため、当サイトでは自然“海”塩をお勧めしています。
海塩は、岩塩よりも多く「にがり」を含むため、ナトリウム以外のミネラルが多い。とくにマグネシウムの含有量が多いと考えられています。しかし、岩塩はナトリウム以外のミネラルが失われた状態。カルシウムや鉄、ヨードなどもほとんど含まれていないそうです。
③海塩よりも岩塩のほうが地域差が大きい
岩塩は自然の力で生まれたものだからこそ、質にばらつきがあります。海塩の場合、海水の採水場所による差はありますが、基本的に海の成分はほぼ同じです。岩塩を選ぶときは地域性を意識しての選択が求められます。
つまり、岩塩は土地によって成分が大きく異なるということ。とくに、岩塩の結晶をそのまま掘り出されたものは、より地域の特色が色濃く表れます。成分だけでなく、味や色も地域ならではです。
④海塩と岩塩は製塩方法・採掘方法が異なる
海塩の製塩方法はいろいろありますが、基本的に海水を採取するところから始まります。岩塩の採取では海ではなく陸から塩を集めます。昔はそのままが岩塩を掘り出すスタイルが主流でしたが、現代では地面のナトリウム層を水で溶かして取り出してから再度結晶する方法が増えました。
海塩の場合、塩に含まれる水分(にがり)の量、製法や結晶後に塩を寝かせる時間によってミネラルの含有率は異なります。しかし、岩塩で作られた塩にはにがり成分などを添加しない限り、ナトリウム以外のミネラル含有量はほぼないと考えられます。
⑤海塩と違い、岩塩は採掘の際に爆発物を使うときがある
海塩を作るときの海水採取も大変な作業ですが、岩塩の採掘もパワーが必要な作業です。なかには、岩塩採掘にためにダイナマイトなどの爆発物を使用しているケースもあるそうです。爆発物が飛散し、岩塩が化学物質を浴びてしまうのが心配。
岩塩を扱っているショップでは「当店の岩塩は爆発物を使用していません」などと記載されていることがあります。化学物質を避けたい方、岩塩そのものの味を楽しみたい方は、爆発物の使用にご注意くださいね。
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⑥日本では海塩は作れても、岩塩は採れない
岩塩の産出や埋蔵量が多い国はアメリカ、ドイツ、イタリア、スペイン、パキスタンなど国の内陸部。結晶化している岩塩を採掘したほうが効率がいいという理由もあり、岩塩の生産量が増えたと考えられています。
世界的に塩の生産量で一番多いのは海塩ではなく岩塩ではありますが、日本では岩塩は採れません。長野県鹿塩・塩井や、福島県塩沢・塩鉱泉が知られる程度。世界のなかでも珍しいほど岩塩と縁遠いのです。国産の塩をお求めの方は、岩塩ではなく海塩を選んでくださいね。
体質改善を目指すなら“海塩”を選ぶと◎
ミネラルバランスを整えて体質改善を目指すなら、岩塩よりも海塩が好ましいでしょう。塩化ナトリウム以外のミネラルを含まない岩塩を体に取り入れると、ナトリウムの過剰摂取に繋がります。岩塩のなかにも素晴らしい品質のものがありますが、地域の特性が強い岩塩を見極めるのが難しい方は海塩を購入するほうが簡単です。
天日や平釜で製塩された海水塩なら海水に含まれる微量ミネラルが含まれています。わたし自身、岩塩は食文化を楽しむ程度で、普段の料理やスキンケアに使用している塩は海塩です。塩は採取場所や製塩方法で個性がでる食材です。海塩と岩塩の個性を理解して使い分けてくださいね。
参考文献