塩化ナトリウム純度に注目! 特級塩、並塩…基本的な塩の種類&特徴

スプーンに盛られた塩

塩にはいくつか種類があります。よく聞く「精製塩」のほかにも、塩化ナトリウム純度の違いによって異なる呼び方があるそうです。塩はどの家庭にも置かれる定番調味料ですが、業務用として使われている量のほうが圧倒的に多い。今回は、一般的なスーパーでは並ばない塩の種類もいくつか紹介します。

・特級精製塩(とっきゅうせいせいえん)

塩化ナトリウム99.8%以上の高純度の塩。粒度180~500㎛が85%以上で粒子がそろっていてサラサラ。バターやチーズなどの食品加工用はもちろん、医薬用にも使われています。

・特級塩(とっきゅうえん)

塩化ナトリウムを99.7%以上含有する「精選特級塩(せいせんとっきゅうえん)」塩化ナトリウム99.5%以上、平均粒形300~450㎛「特級塩」があります。加工食品や医薬品の原料に使われています。

・精製塩(せいせいえん)

塩化ナトリウム含有量99.5%以上の塩と定義されていますが、塩化ナトリウム純度が高い塩を指す言葉として用いられることも多い。加工食品に使われるほか、一般家庭でも使用されています。

・食塩(しょくえん)

塩化ナトリウムを主成分とする塩の慣用名。しかし、専売制時代にあった商品名「食塩」を現在でも引き継いでいる製品があるため、一般名称と商品名が混同して使用されることも。

塩事業法上の「塩」は塩化ナトリウム40%以上を含む個体を指しますが、商品名「食塩」を指す場合は塩化ナトリウムを99%以上含有し、150~600㎛の粒子を80%以上含む塩と定義されています。加工食品に使用されるほか、一般家庭でも広く使われています。

・並塩(なみえん)

塩化ナトリウム95%以上、平均粒形0.4mmの塩です。専売制時代の品質規格商品名を踏襲。最も一般的な湿った塩であり、にがり分が多く(通常約0.7%)含まれます。業務用として漬物、味噌などの製造に使われる汎用性が高い塩です。

・白塩(はくえん)

並塩(平均粒形0.4mm)より大粒の湿塩(湿った塩)のこと。塩化ナトリウム95%以上、並塩よりも水分がやや少なく、粒形により4つ(中粒ワイド、中粒、大粒ワイド、大粒)に分類されます。白塩は粒形が大きいので並塩より流動性がよく固まりにくかったり溶けにくかったりします。味噌、醤油、漬物、水産、麺類などの食品加工用のほか、凍結防止剤や飼料などにも使われます。

加工食品や医薬品に使われるのは純度が高い塩

聴診器、薬、注射

塩化ナトリウム純度が高い塩は、いろんな加工食品や医薬品の原材料に使われています。純度が高いだけでなく、精製されることで不純物が取り除かれているため加工しやすいのです。にがり成分が少なく、にがり特有のクセがありません。白くてサラサラしていて見た目が美しいのも特徴です。

特級精製塩、特級塩などは業務用として販売されることが多いですが、加工食品などに姿を変えて家庭の食卓に並ぶ可能性はおおいにあります。気づかないうちに私たちは口にしているのです。

いろんなミネラルを補給したい場合は湿塩

塩とにがりのカード

比較的塩化ナトリウム純度が低い並塩や白塩。これらの特徴は、湿っていいてにがり成分を含んでいるところです。つまり塩化ナトリウム(塩分)以外のカルシウム、マグネシウム、カリウムなどのミネラルを摂ることができる魅力があります。食品メーカーによっては、純度が高い塩ではなく並塩や白塩を使った加工食品を販売していることがあります。精製された塩を避けたい場合は、食品表示を確認したり、食品メーカーに問い合わせたりするといいですよ。

塩は原料や製法によって成分が変わる

塩と魚と貝殻

今回は、塩の塩化ナトリウム純度による分類について説明しました。しかし、塩の性質は塩化ナトリウム純度以外の要素も関わっています。原料が、海水、塩湖、岩塩のどれなのか、製法はイオン交換膜法なのか天日なのか……。同じ製法が表記されていても、塩メーカーや塩職人によって個性やこだわりがあるのも面白いところです。ぜひ塩を購入するときは、食品表示メーカーのホームページなどをチェックしてくださいね。塩の特徴を理解して、暮らしに活かすのがおすすめです。あなたの体が喜ぶ塩が見つかりますように。

参考文献

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南條 ゆみ

大阪出身、東京在住。事務職を経てフリーランスライターの活動開始。食や健康の記事を担当するなかで、体にやさしい暮らしについて模索を始める。自身の体調不良と向き...

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