にがりって何? マグネシウム、カリウム、カルシウム…栄養素から紐解いてみよう

スケッチブックにニガリの文字
にがり

「にがり」って聞いたことはあるけど、そもそも何? 数年前のわたしは何も知りませんでした。にがりを漢字で書くと「苦汁」。そんな苦い液体の正体は何なのか、体に何がいいのか。栄養素からにがりを紐解きます。

古くから食品に添加されてきた歴史のある「にがり」

天然塩をつくる(塩とにがり)

にがりは、海水を煮詰めて塩をつくるときに出る汁。簡単にいうと、海水から塩を取り除いた液体のことです。主成分のマグネシウムをはじめ、80種類以上のミネラルを含むといわれています。古くから豆腐を固めるための添加物として使用されるなど、意外と身近な食品です。(食品以外でも使用されています)

にがりで改善できる症状はいろいろ

にがりは便秘解消効果が評判となり、ダイエットブームで話題になったことがあります。しかし、にがりは便秘解消に役立つだけでなく、血行促進、肩こりや腰痛の解消、美肌効果などさまざまな健康、美容効果が期待されています。

私の場合は片頭痛が大幅に改善されました。鎮痛剤を持ち歩いていたわたしが、今ではにがりを鞄に入れて外出しています。頭痛が落ち着き、お出かけが楽しくなりました。あらゆる体調不良の原因になりかねないミネラル不足。もし、体質で悩みがあるならミネラルバランスに目を向けてください。そして、にがりを試してみてください。ミネラルたっぷりのにがりはあなたの心強い相棒になってくれますよ。

体質改善の秘密は80種類以上のミネラル

なぜ体質改善の期待ができるのか? それはたくさんのミネラルを含むからです。にがりに含まれるミネラルの数は80種以上に及ぶんだとか。ミネラルとは、ビタミンとともに体の機能の調整をする栄養素です。体内では生成できないので摂取しないと不足します。ビタミンと違う点は「ミネラルは体の一部になる」ということ。ミネラルは、人間の体を構成する大切な要素なのです。すべてのミネラルを紹介したいところですが、今回はとくに注目してほしい6つのミネラルを紹介します。

・マグネシウム
にがりの主要成分であるマグネシウム。骨や歯を作る、神経の伝達や筋肉の収縮を手伝う、血圧をコントロールするなど身体機能のバランス調整してくれるミネラルです。体内の代謝や化学反応を支えているので、不足すると不整脈や狭心症、心筋梗塞、高血圧……あらゆる体調不良の原因に。

・カリウム
カリウムは、ナトリウムとともに体内の水分バランスを調整。血圧や筋肉、心臓の拍動を正常に保つサポートをしています。カリウムが不足すると、高血圧、不整脈、手足のしびれ、筋力の衰えなどの症状がでるそうです。野菜不足、利尿剤や下剤の多用、副腎の病気の人は、カリウムが不足しがちです。心当たりがある人はご注意を。

・カルシウム
体内にあるカルシウムのうち約99%は、骨や歯を形成しているとされています。カルシウム不足が続くと骨や歯が弱くなり、骨粗鬆症の原因にも。「イライラするのはカルシウム不足」と言われるように、カルシウムは神経の伝達にも重要なミネラルです。免疫力を高めるホルモン分泌の調整など体内でおおいに活躍します。

・鉄
鉄の約70%は、血液の赤血球内にヘモグロビンとして存在しているそうです。そして、肺から全身に酸素を運んでくれています。鉄が不足すれば、赤血球が上手く作れなくなるので、貧血症状(めまい、動悸、息切れ、頭痛など)があらわれることも。鉄不足の状態が慢性的に続けば、疲労や筋力低下も心配。女性は月経があるため、男性以上に鉄が必要です。

・亜鉛
亜鉛は300以上の酵素の働きに関係するミネラルです。不足すると細胞分裂や免疫、生殖機能、味覚など、体に影響を及ぼす重要なミネラル。前立腺、腎臓、肝臓などの臓器、毛髪、皮膚などに不調があらわれやすくなります。亜鉛は血糖値を下げる役割を果たすインスリンを正常に働かせる作用があるので、血糖値が不安な人にも重要ミネラルです。

・マンガン
マンガンは、タンパク質や脂質、糖質の代謝に作用するミネラル。マンガンが慢性的に不足すると、骨や軟骨の発育不良や慢性疲労を招くほか、インスリンの合成不良による糖尿病リスクが高まります。ほかにも記憶力の低下生殖機能の低下にも繋がります。


南條 ゆみ

大阪出身、東京在住。事務職を経てフリーランスライターの活動開始。食や健康の記事を担当するなかで、体にやさしい暮らしについて模索を始める。自身の体調不良と向き...

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