日本人がマグネシウム不足になる6つの理由~今日から「塩」と「にがり」で対策を~

マグネシウムとは、300以上の酵素、ビタミンB群の働きを助ける大切なミネラルのひとつです。マグネシウムが不足すると、体の不調に繋がるため健康志向の人から注目されています。
しかし、日本人はマグネシウムが不足しがちなのが現実。今回は、日本人がマグネシウム不足になる理由、その対策についてお伝えします。
![]() 常識を破壊!これが正しい自然塩の選び方 |
![]() 医師が教える!マグネシウムのすごい力 |
![]() 原因がはっきりしない30の症状はミネラルで治る! |
マグネシウムは筋肉や神経に影響する重要なミネラル
1998年の資料によると、マグネシウムは体重60kgの成人の体内に約80g存在するミネラルだそうです。そのうちの70%は歯や骨の構成要素なり、残りの30%で300種類以上の酵素をコントロールしているとされています。酵素はエネルギー生産に関わっていて、筋肉や神経に影響することから、マグネシウム不足は心身に悪影響を及ぼすと考えられています。
①日本は水道水が軟水のためマグネシウム補給が難しい
ヨーロッパなどの水道水はミネラル豊富な「硬水」です。一方、日本の水道水は「軟水」です。「軟水」は飲みやすいですが、マグネシウムなどのミネラルが少ないのが欠点です。
2019年の資料によると、硬度100未満を「軟水」、硬度300以上を「硬水」とし、日本の水道水を測定したところ、東京の水は硬度64、京都の水は硬度37だったそうです。日本の水道水はミネラルが少ないといえそうです。さらに、地域によって差がある可能性もあります。
確実にマグネシウムなどのミネラルを補給したいなら、家庭での工夫は欠かせないでしょう。水道水に関しては、化学物質や汚染などの心配があるので、飲料水や浄水器などもこだわって選びたいところです。
②日本の穀物消費量が減少しマグネシウムが不足がちに
日本は戦後に食生活が大きく変わったそうです。マグネシウムが豊富な玄米、大麦やあわ、ひえなどの穀物消費量が大幅に減少。その結果、マグネシウムの摂取量が減ったのでは? と考えられています。
基本的な考え方として、加工や精製されている食品はマグネシウム量が少ないとされています。加工されるほど、精製されるほどマグネシウムがそぎ落とされていくのです。マグネシウム不足を解消したいなら、未精製の食品や、加工しすぎていない食品を摂るように心がけましょう。
③自然塩からマグネシウムが少ない精製塩が主流に
精製された食品はマグネシウムが少ない。これは塩に関しても同じです。かつて日本では、海水を田んぼに引きこんで水分を蒸発させて製塩していました。自然の力で作る「自然塩」を食べることが当たり前で、海水のミネラルバランスを受け継いだ「自然塩」から日常的にマグネシウムを補給できていました。
しかし、昭和47年に塩田が廃止され、工業的な方法で塩を作られるようになりました。不純物や細菌を取り除いた「精製塩」は、効率よく純度が高い塩を作れると重宝されました。ただし、栄養面では「自然塩」とは差がありました。
「精製塩」は、99%以上が塩化ナトリウムで構成されており、マグネシウムのほか多くのミネラルが取り除かれているのです。「精製塩」を食べるようになった結果、日本人は塩化ナトリウムの過剰摂取やマグネシウム不足に陥りました。
④お菓子依存の子どもが増え、マグネシウムを消耗
砂糖を摂ると、マグネシウムが消費されるそうです。そのため、せっかくマグネシウムを摂取しても、菓子などで大量の砂糖を食べてしまうと効果を感じられません。料理でも砂糖を使う頻度を落とすようにしましょう。
離乳食などのベビーフードには「生後6ヶ月から」など表記がありますが、一般的な市販菓子には年齢が表記されていないことが多い。菓子メーカーに問い合わせたところ「菓子は嗜好品のため親御さんの判断で」という内容の返信を頂きました。
幼いころから菓子を与えることが、子どもの健康にどんな影響を与えるのか? 菓子依存になった子どもは、大人になっても慢性的なマグネシウム不足になる可能性がある。親として子どもの食生活は注意を払う必要がありそうです。
⑤暴飲暴食・過度な飲酒がマグネシウム
マグネシウムは、暴飲暴食や飲酒でも消耗するそうです。時短・タイパなどの言葉が流行っていますが、健康的配慮を忘れずに食を選んでほしい。ときには豪華な料理やジャンクな食事をとりたくなるかもしれません。そんなときは、翌日は体を労わる料理にしたり、胃腸を休める時間を作ったり。内臓を酷使しないように心がけてみてください。
お酒を飲みすぎたときに、マグネシウムを摂取すると酔いが軽く済むという情報もありました。お酒はほどほどにし、必要な場合はマグネシウムを補って二日酔いに備えてほしいです。
![]() 常識を破壊!これが正しい自然塩の選び方 |
![]() 医師が教える!マグネシウムのすごい力 |
![]() 原因がはっきりしない30の症状はミネラルで治る! |
⑥ストレス社会に生きる日本人はマグネシウムが足りない
マグネシウムは「抗ストレスミネラル」とも呼ばれています。マグネシウムは、精神を落ち着かせてくるそうです。2018年の資料によると、「国立健康・栄養研究所」の研究で、リラックス状態よりもストレス状態のほうが尿からマグネシウムが排出されやすいというデータがあるそうです。つまり、ストレス状態の人はマグネシウムを消費してしまう。マグネシウムはストレスから守ろうと頑張ってくれているのです。
しかし、現代人の多くがストレスを抱えています。大人は、仕事、家事、育児、介護といろんな役割をこなし、子どもも学校や人間関係などの悩みを抱えがちです。現代人こそ、マグネシウムを適度に補って、心の安定を目指すべきなのです。
疲れているから頭痛がすると考える人がいるかもしれませんが、片頭痛の原因のひとつにマグネシウム不足があります。わたし自身、マグネシウムを補給するようになってから嘔吐するような激しい頭痛がなくなりました。頭痛で悩んでいる人も、マグネシウムを選択しに検討してみてください。
マグネシウムは排出されやすいから塩とにがりで対策を
水道水などの環境的問題、食生活の問題、ストレスの問題……日本人はマグネシウムなどのミネラルが不足しやすいと考えられています。さらに、マグネシウムは体外に排出されやすいため、補給することでカバーする必要があるのです。
マグネシウムを補うために軟水ではなく硬水を飲む方法もありますが、硬水に飲みづらさを感じる人は多いはず。軟水と硬水を飲み比べる実験を行ったとき、子どもたちは硬水に対し「うえ~」と顔をしかめていました。
マグネシウムを豊富に含む、食物繊維が多い食品、穀物や海産物のような食品を積極的に食べると良さそうです。手軽にマグネシウムを補給したいなら塩とにがりがオススメです。普段飲む水に塩やにがりを少量溶かすだけでも、簡単にマグネシウムを補えるんです。そのとき使用する塩は「自然塩」を使ってくださいね。
欧米化した食生活が日常になってしまった日本人。理想をいえば、雑穀、魚介類、野菜を中心とした、昭和中期以前の食生活を取り戻したい……。しかし、環境的に難しい人が多数だと思います。塩とにがりなら忙しい人でも試しやすく、経済面でも継続しやすい。マグネシウム不足の対策に、塩とにがりを活用しましょう!
参考文献