肌に大きなダメージが!? 合成界面活性剤を含む化粧品を使う4つのリスク

わたしが化粧品を選ぶ基準のひとつが「合成界面活性剤」が不使用であることです。合成界面活性剤は、あらゆる化粧品で使用されており、意識しなければ合成界面活性剤を避けるのは難しい。それでも、わたしが使わないには理由があります。今回は「合成界面活性剤」を含む化粧品を使用する4つのリスクを説明します。
合成界面活性剤は医療現場で緊急処置として使用されていた
もともと合成界面活性剤はケガや病気のときに、薬の成分を皮膚から効率よく体内に浸透させるために開発されたものだそう。医療の現場で行われる緊急処置として使用されていましたが、少しずつ使用される場面が増加。現代では食料品や化粧品など広く使われています。
水と油などは混ぜ合わせるとすぐに分離しますが、合成面活性剤があれば混ぜ合わせた後も分離しにくい。そのため、製品の品質が安定するというメリットがあります。そんな理由もあり、販売されている化粧品の多くに合成界面活性剤が使用されています。
リスク①肌のバリア機能を損ない肌に悪影響をおよぼす
合成界面活性剤は肌のバリアを破るほど力があるといわれています。わたしたちの肌は層になっていて外界からの細菌や有害物質の侵入を防いでくれています。しかし、肌のバリア機能が破壊されると、皮膚に細菌や有害物質が侵入。肌は異物を排除しようと炎症を起こすと考えられています。
合成界面活性剤を含む化粧品を使っているうちに、バリア機能として無視できない角質細胞のアミノ酸やセラミドなどを溶かしてしまう……。合成界面活性剤は、肌のくすみやシワやシミに繋がるそうです。
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リスク②肌の表面にある常在菌を失い肌力が低下
合成界面活性剤入りのシャンプー、ボディーソープ、ハンドソープでスキンケアを続けていると、肌表面にある自己洗浄能力をもつ「常在菌」まで洗い落とすことに。その結果、肌力が低下し、肌がカサカサになったり、肌が敏感になったりします。
最近は「過剰清潔社会」とも言われるくらい、洗浄や除菌などを重視する人が増えているそうです。風呂の回数も1日1回では足らず、2回も3回も入浴する人がいます。風呂のたびに合成界面活性剤を含むボディーソープなどで体を洗えば、常在菌はどんどん洗い流されます。
簡単に言えば「洗いすぎ」なのです。大切な天然保湿因子や抗菌物質を、わざわざ自分で落とすのはもったいない。風呂の頻度を落としたり、化粧品の使用量を減らしたり、今日からでも改善をおすすめします。
リスク③影響は肌だけではない。体へもストレス負荷がかかる
自律神経には交感神経と副交感神経があります。日中は交感神経が優位に働く「戦闘モード」の状態で、体温も血圧も上がり活動的です。一方。夜は副交感神経が優位に働く「おやすみモード」の状態で、休息中のエネルギーは体の再生と修復に充てられます。
肌の再生や修復は夜に行われるため、夜の「おやすみモード」が大切です。しかし、合成界面活性剤を含む化粧品でスキンケアしている肌はダメージが蓄積している状態。夜は肌が無防備な状態であるため、本来の修復能力では追いつかない可能性があるのです。肌メンテナンスの負担は、体のほかの部分のメンテナンスにしわ寄せが……。もしくは、体のメンテナンスで忙しいのに、肌の修復までエネルギーが回らないかも。。肌へのダメージを軽減させる工夫を考えてくださいね。
リスク④合成界面活性剤がアトピー性皮膚炎の原因になる!?
2009年、イギリス人の皮膚科学教授コークさんは「スキンバリアの機能障害がアトピーの発症に大きく関与している」ことを権威ある皮膚科学雑誌で論文発表しました。この論文には、スキンバリアを破壊する因子として「①界面活性剤 ②黄色ブドウ球菌などの微生物が産生するプロテアーゼ(たんぱく質やペプチド中のペプチド結合を加水分解する酵素)③ステロイド外用薬」が挙げられたそうです。
アトピー性皮膚炎には、スキンバリアが正常に働くことが鍵であるという考え方です。健康的な肌を育むためには、肌のバリア機能が大切。合成界面活性剤によって肌は正常を保てなくなると懸念されているのです。
合成界面活性剤は肌の機能を妨げる心配が……
スキンケア化粧品には保湿成分など肌に有益なものが入っています。しかし、肌に負担をかける成分も入っていると心に留めておいてくださいね。化粧品に含まれる合成界面活性剤や有害成分が皮膚の細胞間脂質にしみこむと大変。肌は保湿機能を最大限発揮できなくなります。水で洗い流しても、肌表面に合成界面活性剤が残ることも心配です。
広く販売されている、シャンプー、ボディーソープ、洗顔料、化粧水、乳液、日焼け止め、コスメ……あらゆる化粧品に合成界面活性剤が使われています。さらに化粧品によっては、防腐剤や金属粉などを材料にしている場合もあります。すべての化学物質をゼロにするのは難しいですが、きちんと成分を意識して化粧品を選んでみてくださいね。