医療現場で活用されるタラソテラピー。4つのタラソテラピーの療法とその効果とは?
「タラソテラピー(海洋療法)」とは、海の資源を利用して心身を健康へと導く療法のことです。海外では、医師の診断のもと行われるくらい効果が期待できる療法。今回は、 医療現場で活用されるタラソテラピーのパワーに迫ります。
タラソテラピーに効果が期待できる理由
海水のミネラル組成が、人間の体液や血液と似ているため海と人間は相性がいい。さらに、海水には海藻やプランクトンが大量に含まれているため、タラソテラピーを行うことでビタミンやホルモンも吸収できるそうです。海水による薬理効果はタラソテラピーの大きなメリットのひとつ。わたしたちの体調不良を改善に導いてくれます。
そのほか、海水中は浮力が生じること、泥には保温効果があることなどの物理効果。海辺による精神的リラクゼーション効果もタラソテラピーの魅力です。このようにタラソテラピーにはあらゆる健康効果が期待できます。その結果、病気の治療や予防、ダイエット、肌質改善、食欲増進、睡眠の質改善、リフレッシュ、病後のケアなどいろんな場面でタラソテラピーが活用されているのです。
タラソテラピーの基本療法「海水入浴療法」の効果
タラソテラピーの基本は「海水入浴療法(バルネオテラピー)」です。海水につかることで全身からミネラルを補給できます。海水から出ても、皮膚に残るミネラルが皮膚を覆うため、保温や保湿された状態を維持できるのです。ミネラルは皮膚が自然乾燥していく過程でも体内に吸収されるため、海水から出たあとは水滴をすぐに拭き取らずに自然乾燥させると◎。
海藻を使うタラソテラピー「海藻療法」の効果
海藻そのものやその加工物を利用して治療する方法を「海藻療法(アルゴテラピー)」といいます。海藻ペーストを体に塗ることによって、老廃物の除去や脂肪の分解を促すそうです。
日本では海苔や昆布などの海藻食品を食事に取り入れていますが、世界的には海藻を食用とする国はまだ少ないそうです。しかし、徐々に海藻の効用が認められるようになり、食事療法、水浴やマッサージ、湿布、海藻パックなどで活用されています。海藻単独で使うことがあれば、海泥と混合して使用することもあります。
泥土療法のタラソテラピー版ともいえる「海泥療法」の効果
海の泥を利用して治療する方法を「海泥療法(ファンゴテラピー)」といいます。元来、火山地帯等の陸上の泥を用いる療法を「泥土療法(ファンゴテラピー)」と呼んでいました。このことから、「海泥療法」は海のファンゴテラピーとされています。
鎮静や殺菌、保湿効果を期待することができ、昔は海岸の砂や土をそのまま湿布などに用いていたそうです。海藻のペーストと混合して使用されることもあります。
海辺の空気を吸い込むタラソテラピー「大気浴療法」の効果
海辺の空気を活用する「大気浴療法(アエロゾロテラピー)」。海辺の空気の中には波しぶきによって生まれた非常に小さな水滴が漂っています。海が静かなときには1秒間で1立方cm当たり平均3個、風の強いときには30個も水滴が作り出されるというデータがあります。
海水から生まれた水滴には当然海水と同じミネラルが含まれています。さらに、海辺の空気の中には海藻の表面から気化したヨードなども含まれているそうです。海辺を散歩するだけで、気管、気管支、鼻などの粘膜保護や風邪予防に繋がります。
気軽にタラソテラピーを体験する方法
タラソテラピー施設に行かなくても、海水浴をすることで海水入浴療法、海辺で散歩することで大気浴療法を体験することができます。海から離れた場所で暮らしている人でも、自然海塩を浴槽に入れてお風呂の湯を海の状態に近づければ、タラソテラピーを味わえますよ。
タラソテラピーの特徴のひとつである栄養素による薬理効果は、自然海塩を暮らしに取りいれることで再現できるそうです。汚染された海水をタラソテラピーに使ってしまったら、体へ悪影響を与える可能性があります。しかし、自宅なら水や塩の質を自分で選ぶことができます。タラソテラピーに興味がある人は、ぜひ自然海塩を活用するところから始めてみませんか?
参考文献