発色剤・亜硝酸ナトリウムの検査体験。ハムやベーコンの鮮やかなピンク色の正体に迫る
茶色っぽいハムとピンク色のハム。どちらのハムが美味しそうに見えますか? 数年前のわたしならピンク色のハムを選んでいたでしょう。しかし、今は違います。ハムの鮮やかなピンク色の正体をもう知っているからです。今回はハムに使われる発色剤・亜硝酸ナトリウムの検査体験の様子を紹介します。
鮮やかなハムに使われる発色剤・亜硝酸ナトリウムとは?
「ピンク色のハムのほうが、写真映えするし食欲がそそる」という人がいらっしゃると思います。ハムだけではありません。ベーコンやソーセージ、明太子など鮮やかな色の食品には発色剤・亜硝酸ナトリウムが使われていることが多いです。
亜硝酸ナトリウムは、食品を綺麗な色に保つ発色剤として使用されています。本来、牛肉や豚肉は時間が経つと黒っぽくなりますが、亜硝酸ナトリウムを使えば綺麗なピンク色をキープできる。消費者は美しい見た目に惹かれて亜硝酸ナトリウム入りの食品を購入してしまうのです。
発色剤・亜硝酸ナトリウムの強い毒性
たくさんの加工食品に使用されている発色剤・亜硝酸ナトリウム。実は、亜硝酸ナトリウムは毒性が強いと心配されています。胃の中で発がん物質に変わる危険性も……。数回食べたくらいでは、すぐに体調を崩すことはありません。しかし、「塵も積もれば山となる」です。毎日、少量ずつでも食べ続けることで影響を受ける確率が高まります。
検査キットを使って発色剤・亜硝酸ナトリウムを確認
食品に含まれる亜硝酸ナトリウムは、検査キットを使えば簡単にチェックできます。
①ピンク色のハムと、茶色いハムを並べます。
②それぞれのハムに水を垂らし、検査キットで触れると……?
③水に1秒ほど触れただけで検査薬がピンク色に染まりました。
「亜硝酸ナトリウムが含まれている」ということです。
今回は、あくまで検査体験。実際の検査施設では薬品を組み合わせたり機械を使ったりして高度な検査を行います。わたしは検査施設の見学経験があります。検査施設の充実した設備は家庭で真似できるレベルではありませんが、家庭でも検査キットがあればいろんな実験を行えます。身の回りの食品を使う亜硝酸ナトリウム検出実験は、子どもの自由研究にもおすすめです。
亜硝酸ナトリウムは味とは無関係
いろんな加工食品に使用されている発色剤・亜硝酸ナトリウム。実は味とは無関係だそうです。亜硝酸ナトリウムを使っても見た目の彩りをよくするだけで、味はよくならないのです。亜硝酸ナトリウムを使用しなくても美味しいハムは作れます。実際、「無塩せき」と呼ばれる亜硝酸ナトリウムを使わないハムやベーコンを作っている食品メーカーさんが存在します。
亜硝酸ナトリウム不使用の「無塩せき」食品を
発色剤・亜硝酸ナトリウムが使用されているかどうかは、検査キットがなくても食品表示を見ればすぐにわかります。加工食品を購入するときは食品表示の確認を習慣にしましょう。亜硝酸ナトリウムが使用されている場合、「亜硝酸ナトリウム」もしくは「亜硝酸Na」と表示されているはずです。
亜硝酸ナトリウムは使用されても、味がよくなるわけではない。むしろ、体への毒性が心配されるような添加物です。わたしはハムやベーコンは無塩せきの食品を選んでいます。無塩せきの食品は、素材の色や味を楽しめるものが多い印象があります。見た目の美しさに騙されることなく、本当の美味しさを味わってみませんか?