グルテンフリーとは? 腸内環境の悪化、血糖値急上昇…体質改善したいならグルテンフリー

菓子パンが並ぶパン屋さん
やさしい暮らし

「グルテンフリー」という言葉が普及してきました。最近では小麦をとらない食事法であるグルテンフリーを実践する人が増えているのです。わたし自身、米中心の食生活に改めると鼻炎体質が和らぎました。やはりグルテンフリーにはある程度の体質改善が期待できそうです。

グルテンは腸内環境への影響が心配

海の前に立つ女性の腹部

「グルテン」とは、小麦の種子の発芽に必要な炭素や窒素を保存するタンパク質です。グルテンは、腸内環境に悪影響を与えるとされています。腸の粘膜がボロボロになり栄養を上手に吸収できない。免疫細胞の7割以上が腸にあることを考えると、決して軽視できない問題です。とくに体の発達が著しい子どもが受ける影響は計り知れません。

小麦は砂糖よりも血糖値を上げる食材!?

スプーンとフォークの形をしたクッキー

小麦は、砂糖以上に血糖値を上げると心配されています。体が正常なら血糖値が上昇しても、膵臓がインスリンを生産して血糖値を下げてくれます。しかし、膵臓が力尽きたらどうなるか? 膵臓の能力が追いつかなくなり血糖値を制御できずに糖尿病へ……。自分自身が糖尿病になったら? 家族が糖尿病になったら? と想像するとゾッとします。

近年、昔よりもお腹周りが太った人が多く見られます。それは、小麦のせいかもしれません。小麦により血糖値の急上昇と下降が繰り返されて内臓脂肪が蓄積。和食中心から洋食中心の食生活になり、小麦の消費量が増えた結果が現在と考えることができます。

グルテンが原因の体調不良は数知れず

ピクニックで菓子を食べる親子

グルテンが原因とされる病気の代表格は「セリアック病」です。小麦に含まれるグルテンにアレルギーを示し、小腸粘膜上皮に炎症が起きてしまう病気です。腹痛下痢など胃腸にさまざまな症状をもたらす自己免疫疾患関節炎発達障害などで悩む人もいます。

セリアック病ではなくても、グルテン過敏症の人は増加中です。慢性疲労、下痢や便秘、肌荒れ、PMS(月経前症候群)、生理不順、不妊、アトピー、喘息、鼻炎などもグルテンが原因の可能性があります。

グルテンの研究が進み、統合失調症、自閉症、ADHD(注意欠陥多動性障害)にもグルテンが関与していると指摘されています。子どもの発達障害の改善アプローチにグルテンフリーを掲げるクリニックも存在するのです。

小麦がやめられない人は中毒に陥っているかも

小麦で作られたパン

パン、スパゲッティー、ラーメン、洋菓子……小麦を使った料理はどれも人気。体によくないと聞いても食べたくなるのが小麦の怖いところです。パンを作るときの発酵プロセスに欠かせない物質。パンのふんわり♪ という質感はグルテンあってこそなんだとか。パンを食べると幸せな気分になったり、無性に食べたくなったりしませんか? それは、グルテンによる中毒症状が原因と考えられます。

強い鎮痛作用と依存性がある「モルヒネ」小麦を食べるとモルヒネに似た「エキソルフィン」という物質ができるのです。体がパンやパスタなどを欲するのはエキソルフィンの仕業かも。小麦を断つ難しさは、高い依存性があるからなのです。

偽物のグルテンフリー商品に気をつけて

お菓子を食べる小さな子ども

小麦の代わりに米粉を使用した商品が増えてきています。でも、「米粉=グルテンフリー」と安易に考えては危険。米粉を使った商品のなかには、グルテンフリー向けに作られていない場合があるからです。米粉パンと謳っていても、グルテンが混ぜられていることがあります。これではグルテンフリーにはなりません。

グルテンフリー食品なら安心なのか? と聞かれるとちょっと難しい。実は、小麦の代わりよく使われるコーンスターチ、米でんぷん、片栗粉、タピオカでんぷんは、血糖値上昇をもたらすと考えられています。そのほか、グルテンフリー食品のなかには添加物がたくさん使用されているものや、遺伝子組み換えの食材から作られているものも。原材料をしっかりチェックしましょう。そして、どのくらいのクオリティーを求めるのか、自分軸で考えてくださいね。

グルテンフリーによって体質改善できる可能性がある

手をつなぐ親子

小麦を食べた後、時間が経過してから体調が悪くなった場合、体調不良の原因が小麦だと特定するのが難しい……。なかには、体質や疲労だからと見過ごされているケースもあります。その一方で、グルテンフリーに取り組んだら体調が改善したという声も多々聞きます。わたしの場合は子どもの頃からの鼻炎体質が改善し、15年間も使い続けていた点鼻薬から卒業することができました。

ぜひ数週間だけでもグルテンフリーに挑戦してみてください。グルテンフリー生活を数週間続けた結果、体質が改善したら体調不良の原因にグルテンが関わっている可能性があります。グルテンフリーにしても体の不調が治らなかったら、ほかの原因を考える。このように、自分の体と向き合う機会にもなります。少しでも改善したい体質があるのなら、グルテンフリーについて考えてみてくださいね。

お気に入りのグルテンフリー食品




南條 ゆみ

大阪出身、東京在住。事務職を経てフリーランスライターの活動開始。食や健康の記事を担当するなかで、体にやさしい暮らしについて模索を始める。自身の体調不良と向き...

プロフィール
<

わたし愛用品

関連記事一覧